自社実験レポート

Vercel公開とDNS設定でつまずいたこと|ホームページ公開時に気をつけたいポイント

9分で読める萩原

はじめに

プライスレスのホームページをVercelで公開した際、DNS設定の変更によってメール受信に影響が出ました。

技術的な話というより、「ホームページを公開したらメールが来なくなった」という問題が起きたことを記録しています。小規模事業者がホームページを公開するときに見落としやすいポイントとして、同じ経験をする方が少なくなることを願って書きます。

なぜこの問題が起きたのか

ホームページのアドレスとメールのアドレスが、同じドメイン(例:priceless-inc.com)を使っている場合、DNS設定が両方に関係してきます。

DNS(ドメインネームシステム)は、ドメインとサーバーを結びつける仕組みです。「このドメインのWebページはこのサーバーに」「このドメインのメールはこのサーバーに」という振り分けを行います。

Vercelでホームページを公開するためには、ドメインのAレコード(またはCNAMEレコード)をVercelが指定するアドレスに向ける必要があります。この設定変更がメール関連のレコードに影響を与えることがあります。

実際に起きたこと

Vercelの管理画面で「独自ドメインを追加」する手順を進めていくと、「DNSレコードをこのように設定してください」という指示が表示されます。その指示通りに設定を変更したところ、ホームページは正常に表示されるようになりました。

ところが、その後でメールの受信を確認したところ、届かなくなっているメールがありました。

原因を調べると、AレコードをVercelに向けた際に、それまで使っていたメールサーバーへの経路が変わってしまっていたことが分かりました。メール用のMXレコードは別に設定されていましたが、一部の設定が上書きされていた状態でした。

対応したこと

まずメールが使えない状態を解消するため、メール関連のDNSレコードを確認・修正しました。

DNSには以下のようなレコードがあります。

  • Aレコード:ドメインをIPアドレスに結びつける(Webサーバーの指定)
  • MXレコード:メールの送受信先サーバーを指定する
  • CNAMEレコード:ドメインの別名を設定する
  • SPFレコード:メール送信元の認証情報(なりすまし対策)

Webの設定はAレコードで行い、メールの設定はMXレコードと関連レコードで行うのが基本です。これらは別々に管理できます。VercelにAレコードを向けながら、MXレコードは既存のメールサーバーを指したままにすれば、ホームページもメールも両方使える状態を保てます。

今回は設定変更の際にメール関連のレコードを十分に確認していなかったことが原因でした。修正後はどちらも正常に動いています。

小さな会社には特に影響が大きい

メールが止まる問題は、小さな会社にとって特に大きなリスクです。

規模の大きな会社であれば複数の連絡手段がありますが、メインの問い合わせ先が一つの場合、そのメールが止まると取引先や顧客からの連絡を受け取れなくなります。ホームページの公開作業中に、気づかないうちにメールが届かない状態になっていることもあります。

実際、今回のケースでは変更から確認まで数時間のタイムラグがありました。その間に来ていたメールは受信できていた部分と届いていない部分がありました。

AIやツールを使っても確認は必要

Vercelの設定はドキュメントが整備されており、Claude Codeでも手順を調べながら進めることができます。ただ、「AIが提案した設定手順通りに進めたら問題が起きた」という経験でもあります。

AIは手順を提案しますが、現在の環境の状態(既存のDNSレコードがどうなっているか)を完全に把握しているわけではありません。既存の設定がある環境に変更を加える場合は、現状を確認してから進める必要があります。

「AIに言われた通りにやった」では問題が起きたときに原因が分かりにくくなります。手順の意味を理解しながら進めることが、トラブルを減らすコツです。

試して分かったこと

ホームページを公開するときに気をつけたいポイントをまとめます。

変更前に現在の設定を記録しておく DNSレコードは変更する前に、現在の設定をメモやスクリーンショットで残しておきます。問題が起きたときに元の状態に戻せます。

WebとメールのDNS設定を分けて考える Webのアクセス先とメールの送受信先は、別々のDNSレコードで管理します。Webを変更するからといってメール関連の設定まで変える必要はありません。

変更後はすぐに確認する 設定変更後は、ホームページが表示されるかだけでなく、メールの送受信も確認します。DNSの変更は反映に時間がかかることもあるため(最大で数時間〜24時間程度)、余裕を持ったタイミングで行うと対応しやすいです。

サーバー会社のサポートを活用する ドメインを管理しているサーバー会社や、使っているメールサービスのサポートに確認しながら進めることも有効です。「VercelにAレコードを変更したいが、メールは現状のまま使い続けたい」という目的を伝えれば、設定方法を案内してもらえます。

プライスレスで相談できること

ホームページの公開、独自ドメインの設定、既存サーバーからの移行時の確認事項などは、Web改善支援の中でご相談いただける内容です。「公開の手順は分かるが、既存の設定への影響が心配」という場合も、状況を確認しながら進め方を一緒に整理します。

関連サービス

VercelDNSメール設定Web公開実践ログ

よくある質問

Q. Vercelでサイトを公開するとメールが使えなくなることがありますか?
独自ドメインのDNS設定を変更する際に、メール関連の設定が影響を受ける場合があります。事前にMXレコードやSPFレコードを確認し、メール設定を残した状態でWebの設定を追加するのが安全です。
Q. ホームページとメールで同じドメインを使っても問題ありませんか?
同じドメインを使うこと自体は問題ありません。ただし、DNSレコードを正しく設定しないと、ホームページは見えてもメールが届かない、あるいはその逆の状態になることがあります。
Q. DNS設定が難しい場合はどうすればいいですか?
独自ドメインのDNS設定は、サーバー会社やドメイン会社の管理画面から行います。設定を変更する前にバックアップ(既存の設定メモ)を取っておくと、問題が起きたときに戻せます。不安な場合は、変更前に専門家に確認することをおすすめします。

この内容について相談してみる

「自社に当てはめるとどうなるか」「何から始めればいいか」など、まずは現状をお聞かせください。

実践ログ・改善プロジェクトをすべて見るよくある質問を見るまずは相談してみる